壺中居-KOCHUKYO

東京アートアンティーク TokyoArt & Antiques 2025 掌中緑陰 ―高麗青磁小品展― 掌中緑陰 高麗青磁小品展

会期
2025年4月22日(火)~26日(土)
11:00〜18:00(最終日のみ 17:30まで)
会場
壺中居
東京都中央区日本橋3-8-5
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東京アートアンティーク 公式サイト
掌中緑陰 高麗青磁小品展

陶器色之青者、
麗人謂之翡色 - 徐競 『宣和奉使高麗図経』

宣和五年( 高麗仁宗元年、一一二三年)、中国使節団に随行し高麗の都開城を訪れた徐競は、その後徽宗皇帝に献上した見聞録の中で、当時高麗の人々が青磁を『翡色』と呼んで尊重していた様子を書き記しています。美しい翡翠のような、またはカワセミが纏う鮮やかな羽のような、えも言われぬ深い青緑の色合いは往時見る者の心を魅了したことでしょう。その貴重性は金銀器をも凌いだといわれ、今に変わらぬ美を伝えています。

施された華やかな意匠からは中国北宋文化の粋を受け継ぎ、さらに自国独自の芸術へと昇華させた高麗貴族の文化意識の高さが見て取れます。
青磁釉の向こうにある草花や蝶、鶴や水禽など様々な吉祥の象徴が生き生きとたゆたう様は極めて優美です。
それらを彫り込むが為の厚い器体にはたっぷりとした釉が掛けられ、玉を思わせる感触は手のひらに心地の良い重みを与えます。

窯業技術の高まりを見る十二世紀から十四世紀の小品をご紹介いたします。
窓に映る爽やかな若葉の季節、掌中に収まる涼やかな緑の彩を、直にお感じ頂きたく存じます。